歯科ブログ

インプラント治療に健康保険が適用されない理由とその対策

三重県鈴鹿市の大木歯科医院

歯科医師 院長 笠井啓次です。

インプラント治療への関心が高まる中で、多くの患者さんから寄せられる疑問の一つが、「なぜインプラント治療には健康保険が適用されないのか」というものです。このブログでは、インプラント治療と健康保険の関係、さらには経済的な負担を軽減する方法について詳しくご紹介します。

 

目次

  1. インプラント治療とは?
  2. なぜインプラント治療に健康保険が適用されないのか
  3. インプラント治療の身体的・経済的・精神的メリットとデメリット
  4. インプラント治療の一般的な期間と料金
  5. 経済的負担を軽減するための対策

 

 

1. インプラント治療とは?

インプラント治療とは、歯を失った部分に骨の中に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯(上部構造)を取り付ける先進的な歯科治療です。自然の歯に近い見た目と機能を回復できるため、治療を受ける患者さんからの満足度は非常に高いと言われています。しかし、このインプラント治療の高い効果には相応の費用がかかるため、その負担が懸念されることもあります。

 

2. なぜインプラント治療に健康保険が適用されないのか

インプラント治療に健康保険が適用されない主な理由は、治療法が「選択的治療法」と位置付けられているためです。健康保険適用の治療は「必要最低限の治療」に限られており、インプラント治療は高度な医療技術を要し、また、同等の機能を回復できる他の治療法(入れ歯やブリッジなど)が存在するため、「必要最低限」からは外れてしまいます。そのため、質の高い治療を求める場合の自己負担が不可避とされています。

 

3. インプラント治療の身体的・経済的・精神的メリットとデメリット

メリットは、見た目が自然な歯に近く、食事や会話がしやすい点です。また、削る必要がないため、残っている隣接する健康な歯を守ることができるという点も大きな利点です。デメリットとしては、治療に高額な費用がかかり、治療期間も長く、場合によっては数か月から1年以上かかることがあります。また、手術に伴うリスクや、まれにインプラントが骨に定着しないケースも存在します。

 

4. インプラント治療の一般的な期間と料金

インプラント治療の期間は、手術の難易度や骨の状態によって異なりますが、一般的にはインプラント体を埋め込んだ後、3~6か月の間隔を置いて上部構造(人工の歯)を装着します。料金は1本あたり30万円から50万円程度が目安で、全体の治療費用は治療する歯の本数や使用する材料によって大きく変わります。

 

5. 経済的負担を軽減するための対策

経済的な負担を軽減するためには、医療費控除の利用が一つの方法です。インプラント治療にかかった費用は、年間で10万円を超える部分について税金の控除対象となります。また、クリニックや治療法によっては分割払いやローンの用意があり、治療費の負担を少しでも軽減できる可能性がありますので、治療前に相談してみることが重要です。

 

まとめ

インプラント治療において、健康保険の適用外である理由とそれに伴う経済的な負荷は大きな課題ですが、その高い治療効果と生活の質の向上を考慮すれば、多くの患者さんにとって十分検討に値する選択肢と言えるでしょう。経済的な負担を軽減する方法もありますので、まずは専門の歯科医師と相談してみることをお勧めします。

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