噛める入れ歯とは?
三重県鈴鹿市 大木歯科医院
歯科医師 院長 笠井啓次
歯が抜けてしまった治療の一つ「入れ歯」
では、入れ歯を検討するにあたって、最初に考えなければいけないことは何でしょうか?
それは「噛めるかどうか」ということです。
せっかく入れ歯治療を進めるのであれば、噛める入れ歯でなくては意味がありません。
では、噛める入れ歯とはどんな入れ歯でしょうか。
日々の食事で重要な「噛める歯」
入れ歯の良し悪しには個人差があることも事実です。
患者様からのご質問でとても多いのは、入れ歯の調整に関することです。
「入れ歯が痛い。」
「入れ歯が合わない。」
「入れ歯でうまく噛めない。」
複数の歯科医院を受診しては入れ歯の調整をしたり、作り直したりしてきたのに入れ歯が合わなくて上手く噛めない。そのような方がとても多いのが実情です。
合わない入れ歯を調整することをあきらめて硬い食べ物を食べなくなったり、やわらかいものだけを食べるようになったりする方も少なくありません。
食事をおいしく食べられることは多くの方にとって、人生の中でも大きな楽しみのひとつではないでしょうか。食べ物がおいしく食べられなくなることでストレスを抱え、食事自体がストレスになる話も聞かれます。食べることがストレスになり、あげく食事が偏り栄養常態にも良くない影響をもたらします。
いかに噛める(=患者様に合った)入れ歯であることが重要か、お分かりいただけると思います。
噛める入れ歯とは
歯学部時代に、入れ歯を作る授業がありました。その講義では、
・入れ歯で噛める物
・噛む練習をすればなんとか食べられる物
・入れ歯では噛めない物
を覚えさせられました
しかし、近年の入れ歯作りの技術進歩のおかげで、以前は入れ歯では噛めないとされていた食べ物の多くを噛むことができる患者さんが増えてきました。
実際、当院に通われている患者様で、入れ歯を使用していらっしゃる患者様(30代から90代まで)に伺ってみても、多くの方が入れ歯でも意外なほど硬い食べ物が噛めるようになっていて驚きました。
入れ歯で噛めるようになるために
人工の歯である入れ歯と、自分の歯では噛み方はどうしても異なってしまいます。
その違いをわかったうえで入れ歯での食べ物の噛み方を練習していた方は、硬い食べ物が噛めるようになっていきます。
「入れ歯の使い方」で噛めるようになり、食事を楽しむことにもつながっていくわけです。
食べ物の噛み方のほかにも、入れ歯に必要なお手入れや洗い方などのメンテナンス方法も歯科医院での指導も合わせて実践してくださることで噛めるようになるのが入れ歯の特徴だと思います。
噛める入れ歯についてのまとめ
人工臓器として入れ歯を活用し、噛める入れ歯にするためには治療だけでなく、入れ歯で噛む訓練をし、適切なメンテナンスも重要になります。
素材や技術の進歩により見た目も美しい入れ歯も作られるようになってきました。
人生100年時代と言われるようになり、これまで以上に長い付き合いになるのが歯です。
入れ歯を理解し、良い入れ歯、噛める入れ歯にしてまいりましょう。
三重県鈴鹿市 大木歯科医院
歯科医師 院長 笠井啓次