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三重県鈴鹿市南長太町鎗添2504-2 受付時間 8:30より 診療時間 9:00〜19:30
加齢に伴い、歯の欠損や歯茎がやせたりして入れ歯が合わなくなったり、舌の運動機能や唾液の分泌能の低下で口腔感覚の鈍化、味覚の低下など、さまざまな口腔内問題が起きて咽頭への食べ物の送り込みがしにくい状態になることがあります。
また、老化現象、脳血管障害、認知症などで嚥下機能が低下する場合もあり、とくに脳血管障害の後遺症のある人は意識障害、食事認知障害、口の動作不全、嚥下障害などいろいろな要因が加わってきます。
摂食・嚥下の流れは大きく分けて5つあります。
① 先行期・・・食べ物の形や量、質を認識する、唾液の分泌を促す。
② 準備期・・・食べ物を必要な大きさに噛み砕き飲み込みやすい大きさにする(食塊)
③ 口腔期・・・準備期で作られた食塊が舌の動きによって咽頭へ送られる
④ 咽頭期・・・食塊を飲み込んで咽頭から食道に送る
⑤ 食道期・・・食道の蠕動によって食塊を胃に送る
このように人間が食事をするときは、目で見て認知することから始まっています。
しかし、認知症が進行している方は食事のやわらかさがわからなかったり、
食べ物であると認識する事もできないこともあります。
また、③〜⑤は反射的に行われますが、唾液が少なくなっていたり、
喉の筋肉が弱っていたりすると嚥下障害がおき、誤嚥を引き起こす恐れがあります。
・食べ物が飲み込みにくい
・のどにつまった感じがある
・口の中に食べ物が残る
・食事中や水分をとるとき、むせたり咳き込んだりする
・よだれが出る
・体重が減った
・痰が出やすい
・食事中、食後にガラガラ声になる
このような症状がみられるときには、嚥下機能の低下が考えられます。この症状が進むと口から食べる機能が失われて、食事に対する楽しみがなくなってしまいますが、食事に少しの工夫をすることで、おいしく口から食べることができますよ!
咀嚼・嚥下機能の低下した人たちが当たり前にお口から食べ物を摂取できるようになるには、さまざまな工夫が必要です。食事は個々の「かむ力」「飲み込む力」「消化吸収力」「身体的機能」に応じた形態で提供することが必要で、かみにくい食品であってもどうすれば食べやすくなるのか、切り方や調理の方法、自助具の使用などの工夫が必要となります。
食品の選択
飲み込みやすい食品
とろとろとしたもの:プリン、ヨーグルト
つるんとしたもの:ゼリー
とろみのあるもの:ポタージュスープ
軟らかいもの:絹ごし豆腐
飲み込みにくい食品
さらさらした液状:水、お茶、コーヒー、清涼飲料水
硬くて咀嚼しにくいもの:ごぼう、こんにゃく、こんにゃくゼリー、りんご
パサパサしたもの:食パン、カステラ、凍り豆腐、ゆで卵
バラバラになるもの:ピーナッツ、クッキー、きざみ食
口腔内に張りつきやすいもの:わかめ、のり、葉ものの野菜、トマトの皮
粘度のありすぎるもの:餅
酸味の強いもの:酢の物、かんきつ類
水分と固形物に分かれるもの:みそ汁、水分の多い果物
すすって食べるもの:麺類
繊維の多いもの:たけのこ、もやし、れんこん、ねぎ
調理上の工夫
①食品は繊維に直角に細かめに切る
②食品を軟らかく調理する
③いも、卵、油脂などのつなぎになるものを利用する
④とろみをつける
このような工夫をすることでお口から食べ物を食べることができるようになります!
料理にさまざまな工夫を入れて楽しく美味しい食生活にしましょう!
自力で食べることも大切ですが、ときには介助を必要とすることもあります。
・食前体操をしてもらう
・目覚めていることを確認する
・視覚、聴覚、嗅覚を刺激する
・食べるペースを考える
・一口量に気をつける
・目の高さに合わせる
・食事は適温で提供する
・介助時の姿勢に気をつける
・水やゼリーなどを食事の合間に与える
・食後の口腔ケア
・食後しばらく上体をおこしておく
また、自力で食べることができず介助を必要とする場合でもうまく食べられない時には、自助具を用いて随意運動ではなく不随運動で嚥下出来るようにするという方法もあります。自助具を使って食事をすることで少しずつ自力で食べられるようにもなってきます。
食事の工夫だけでなく、介助の方法にも工夫が必要です。「食事」というのはとてもメンタルなもので、心と体のバランスが崩れると食欲不振という形で表面にでてきます。目で見るおいしさ、耳で感じるおいしさ、においで感じるおいしさ、舌で感じるおいしさ、触感でのおいしさなどがあり、おいしい料理というのは作ることだけでなく、日頃の心のケアも大きく影響してくると思います。
「食い力」という言葉がありますが、経管栄養をしていた人が経口栄養へ移行することによってメキメキと元気を取り戻すということはよくあることで、食事は元気な体をつくるキーポイントです。
タバコは、がんのリスクであることはみなさんよくご存知だと思います。タバコは歯にも影響があるのです。
◎歯周病が悪化・再発しやすい!
歯周病の治療をしてもタバコを吸っていると回復が遅く治りにくくなってしまいます。
また、治療後いったんよくなっても再発しやすくなってしまいます。
喫煙者の歯周病の治療効果は40〜80%も劣ります。
歯周病になるリスクは、ヘビースモーカーほど高く、毎日吸うと吸わない人の4倍以上になると言 われています。
◎むし歯になりやすい!
虫歯菌がパワーアップして、歯を溶かす酸をたくさん作ってしまいます。
むし歯が大きくなりやすく、根っこの治療をするリスクも増えてしまいます。
◎インプラントが成功しにくい!
インプラントの埋入後、修復機能が働きにくく歯槽骨の反応が悪いために、インプラントが歯槽骨 とガッチリ結合し固定するまでに時間がかかります。
歯槽骨の反応が遅れると、肉芽組織が先に育ってインプラントと歯槽骨の間に入り込むリスクが増 し、インプラント治療がうまくいかなくなる確立が上がってしまいます。
◎受動喫煙でもむし歯のリスクが高まります!
受動喫煙している子どもはむし歯が2倍になるというデータもあります。
お子さんのお口にも影響があるので注意して下さいね!
禁煙すると歯を失うリスクが低下します!
薬局でもニコチンガムやニコチンパッチが売っていますし、禁煙外来で治療を受けてみるのもオススメです。
高齢になると、噛む力の低下することにより唾液の分泌量が減り、口やのどが渇くようになってきます。そうすると、食事がとりにくくなったり、言葉の発音がしにくくなったりします。
唾液は、1日に1〜1.5リットル分泌され、口の中の細菌の増殖を抑制し虫歯を予防したり、食塊を形成し飲み込みやすくしたり、発音をなめらかにするなどさまざまな効果があります。
◎唾液腺マッサージで唾液の分泌を促しましょう!!
お口の中には、唾液腺と呼ばれる唾液の出やすいポイントがあります。唾液腺を刺激することで唾液が出やすくなります。この唾液腺を刺激することを唾液腺マッサージと呼んでいます。
◎唾液腺は3箇所あります
それぞれ優しく5〜10回ほど繰り返すましょう!
①耳下腺 ……耳たぶのやや前方上の奥歯あたりのほほにあります。
酸っぱい食べ物を想像すると、唾液がスーッと出てくるところです。
②顎下腺……あごの骨の内側の柔らかい部分です。
耳の下からあごの先まで指で優しく押します。
③舌下腺……あごの先の尖った部分の内側、舌の付け根にあります。
下顎から舌を押し上げるように両手の親指でグーっと押します。